解説
日本規格協会(JIS)による試験規格JIS B 9927:2022は、粒子除去用高性能フィルタ(EPA, HEPAおよびULPA)及びフィルタろ材が規定されたものである。
当研究所はJACA(日本空気清浄協会)の試験所として、数多くのフィルタ試験を行っています。
| 規格番号 | 内容 |
| JIS B 9927-1 | 分類、性能、試験及びクラス分類 |
| JIS B 9927-2 | エアロゾル発生、測定機器及び粒子係数統計 |
| JIS B 9927-3 | 平板フィルタろ材の試験 |
| JIS B 9927-4 | フィルタユニットの漏れを測定するための試験方法 |
| JIS B 9927-5 | フィルタユニットの試験方法 |
分類
MPPS(最大透過粒径、すなわち、捕集率が最小となる粒径)粒子に対する捕集率又は透過率に基づいてグループとクラスに分類する。
a) グループE: EPAフィルタ(一般に準HEPAと呼ばれる)JIS B 9927-5に適合した統計サンプル試験の実施結果のみで決定。漏れ試験は実施しない。
b) グループH: HEPAフィルタ 個々(同一)のフィルタに対して試験を行い、JIS B 9927-5に従って捕集率をMPPSで測定する。また、JIS B 9927-4に従って漏れ試験を実施する。
c) グループU: ULPAフィルタ 個々(同一)のフィルタに対して試験を行い、JIS B 9927-5に従って捕集率をMPPSで測定する。また、JIS B 9927-4に従って漏れ試験を実施する。
エアロゾル発生
PAO(ポリアルファオレフィン)
平板ろ材の試験
100 cm2の面積の円形で、5枚のろ材でMPPSを測定する。
漏れ試験
多分散エアロゾルで光散乱式気中粒子計測器を用いて、粒子個数濃度及び粒度分布を測定する。
フィルタユニットの測定方法
定格風量で圧力損失を測定した後、粒子捕集率をMPPSで測定する。帯電合成繊維ろ材については、JIS B 9908-4に従い除電をしてから捕集率を求める。
MPPSとは
最も透過しやすい(捕集しにくい)粒子径のことをMost Penetrating Particle Size (MPPS)と呼びます。

除電について
除電処理キャビネットにIPA(イソプロピルアルコール)を注入し、IPA 蒸気で飽和させます。規定された手順に従ってフィルタユニット試験体を飽和IPA 蒸気に24 時間暴露させ除電処理を行います。

実績
フィルタメーカー、繊維メーカー、自動車メーカーなど
関連情報
- JACA規格試験
- JIS B 9908